The Konbini Kaikei System and the Food Waste Issue: A study of Seven-Eleven Japan

国連の持続可能な開発目標（SDGs）のゴール12は、天然資源を保全するために、各国の大企業に持続可能な生産と消費の形をすすめることを目指している。近年、日本政府はSDGsのゴール12の達成に向けて、事業系食品ロスの削減に関するさまざまな取り組みを推進している。 公正取引委員会によると、コンビニエンス・ストア業界における廃棄ロス額は約2,690億円以上にのぼるとされている。この問題に対して、日本最大のコンビニエンスストアチェーンであるセブン-イレブン・ジャパンにも、食品ロス削減への取り組みが期待されている。 大手コンビニチェーンのフランチャイズ契約において広く採用されているロイヤルティ算定方式は、「コンビニ会計」（KKS）と呼ばれる。この仕組みの下では、加盟店が食品を廃棄する際、処理費用を本部と加盟店が均等に負担するのではなく、加盟店側が費用の大半を支払うことになっている。愛知大学の木村義和教授によると、コンビニにおいて大量の食品廃棄が発生する原因は、「コンビニ会計」にある。つまり、日々多くの食品ロスが発生することは偶然ではなく、コンビニ本部が作成した制度によるものだと指摘されている。 本研究では、セブン-イレブン・ジャパンを中心に、「コンビニ会計」の仕組みやその影響について詳しく分析する。そして、「コンビニ会計」による食品ロスの問題を解決するためにセブン-イレブン・ジャパンが実施した対策について考察し、その対策が効果的な解決策であったかどうかを明らかにすることを試みる。 本稿でセブン-イレブン・ジャパンの食品ロス問題を取り上げる理由は二つある。一つ目は、同社が日本の小売業界において優位に立っているからである。1973年にイトーヨーカ堂が設立したセブン-イレブンは、少しずつ成長を遂げ、現在日本国内に21,500店舗以上、世界19カ国に84,000店舗以上を展開する、最も成功したコンビニチェーンの一つとなった。二つ目は、大手企業へと成長したにもかかわらず、加盟店の管理や食品ロスの取り扱いに関して厳しい批判にさらされていたからだ。 第1章では、セブン-イレブン・ジャパンの成り立ちや成功要因を概観し、同社のサプライチェーン管理やフランチャイズ制度について分析する。第2章では、木村義和教授の研究を基に、「コンビニ会計」の仕組みやその影響を探る。また、「コンビニ会計」の法的承認をめぐる事件についても概観する。本章で示す通り、この事件にはセブン-イレブン・ジャパンも深く関与していた。第3章では、同社の食品ロス削減に向けた対策を分析する。 本研究では、過去30年間におけるセブン-イレブン・ジャパンの取り組みが、食品ロス問題の解決を目的としたものではなく、施行された法律や社会の期待に応えるための対応であったことを明らかにする。その結果、食品ロスを効果的に削減することができなかったことが明らかになった。つまり、食品ロスの根本的な原因が「コンビニ会計」の仕組みにある限り、セブン-イレブン・ジャパンがこの制度を見直さなければ、食品ロスは今後も削減されない可能性が高いと考えられる。

Goal 12 of the UN Sustainable Development Goals (SDGs) urges countries to ensure sustainable consumption and production, calling on large companies to adopt sustainable practices. In recent years, Japan’s government has been actively addressing these issues and is seeking countermeasures for the considerable amount of commercial avoidable food waste. According to the Japan Fair Trade Commission (JFTC), approximately 269 billion JPY worth of food is wasted annually by the convenience store industry alone. As the country’s biggest convenience store chain, Seven-Eleven Japan (SEJ) is facing increasing scrutiny for its impact on food waste. The konbini kaikei system (KKS), or convenience store accounting system, is a franchise royalty fee structure that has been considered as the main practice contributing to the food waste problem in the sector. The following research aims to investigate how the food waste problem, as a direct result of KKS, has been addressed by SEJ. Despite limited available data, this study analyzed the company’s food waste initiatives over the last 30 years, demonstrating how they have not been able to effectively minimize food waste and have also raised concerns about potential greenwashing. Supporting Aichi University’s Professor Kimura Yoshikazu thesis, this research seeks to illustrate that meaningful progress in tackling food waste cannot be achieved unless SEJ adopts greater transparency in its operations and implements substantial changes in its royalty calculation system.